代表的なクライアントと広告代理店の仕事の流れ(1)
広告主から見たマーケティングを体系的に学ぶ
マーケティングの定義は、その時代時代に合うように製品→商品→販売→ニーズ志向→顧客志向と絶えず変化してきました。
それに合わせて、広告主側の企業(組織)の中でも、当初マーケティングは、販売のための一手段から、一部門になり、現代では組織そのものの方向性を決定する「羅針盤」であり、「経営理念」「コンセプト」「仕組み」という言葉に置き換えられ、マーケティングの傘の中に、その組織の全てが包括される時代になっています。
言い換えれば、広告主の企業にとっては、「マーケティングの考え方で組織がつくられていく時代」を迎えた、と言って過言ではありません。
また、「マーケティング」という用語は、すそ野が広い用語であり、今ではマネジメントそのものでもあります。「マネジメントマーケティング」という用語は、これをよく顕していますが、組織における事業化を創出するという考え方までをも含むのです。
マーケティングは、遥かにマーケティング調査を代表する用語から、組織が行う「顧客が真に求める商品やサービスをつくり、届ける活動」全体を表す概念へと進化し、市場創造のための一連の総合的活動となっているのです。
その意味では、例えば広告代理店側も、広告主への理解が、ますます大切な時代となっているのです。
それを実現していくための販売促進活動には「顧客志向」の考え方が最低限必要であり、それは言葉を換えると広告主の市場、つまり「市場の視点」で、全てを判断していくということがとても重要になります。
また、現在の販売促進の組織でも、マネジメントリーダーが、それらの重要性を一番理解していなくてはなりません。 これからのリーダーは、リーダーになるために、広い意味での「販売促進学」を身に着ける必要があるわけです。
実践実務的な代表的なクライアントと広告代理店の仕事の流れ
広告主と広告代理店の大まかな仕事の流れを、簡略化すると以下のようになります。
(1)≪広告主≫より≪広告代理店≫へ
広告主が企画 企画化したものをオリエンテーション化
広告代理店へ
企画(広告、販促)のオリエンテーション
(2)プレゼンテーション(提案の場)
≪広告代理店≫から≪クライアント≫へ
マーケティング分析、戦略・戦術、方針、具体的企画(メッセージ、具体案)
(3)≪クライアント≫のアクション
プレゼン内容の検討、複数案ある場合、最善案の検討と確定
(4)≪広告代理店≫へ
追加検討事項などへの対応
(5)企画の確定
企画の実行・スタート
お客様は誰なのか
広告代理店のお客様は、広告主(クライアント)であるのは間違いないですが、広告主から見たお客様=消費者についてどう考えるか、については様々な意見があるでしょう。
しかし、最終のお客様は消費者と考えるべきであり、一義的には広告主がお客様ではありますが、最終消費者に対して、どうアプローチするか、購入してもらえるか、などの戦略を共に考えるべきです。
これまで、どうしても、この戦略部分が広告事業者に、希薄であったことは否めない事実でしょう。
例えば、広告主が流通・小売であれば、例えば、店舗の365日の年間スケジュールの販売促進等、メーカー・製造業であれば、その商品のブランディング等を理解する必要があります。
したがって、最終消費者は、広告代理店、広告主の「共通のお客様である」と言えるでしょう。